新しい記事を書く事で広告が消せます。
そこにラノベがあるから
「王様の耳はロバの耳!」なノリで好きな作品への想いをコッソリと叫ぶブログ。
著者:松本健一
出版:現代評論社
<hr>
二・二六事件の思想的指導者として処刑された北一輝の一生……ではなく、タイトル通り、その思想が形成されていった時期について、人間関係や起きた事件などの背景をあれこれと考察している一冊。これを読む限りでは思い込みが激しくて独善的で妄想癖があってヒステリックな危ない若者にしか見えなくて、どことなく昨今の凶悪事件などがダブって見えるせいか、むしろ官憲側に肩入れしたくなってしまいます。多少不謹慎であることを承知で申し上げれば、この人が現代に生まれていなくて本当に良かった。もしそうなっていたら何をやらかしていただろうと想像を巡らせると、若干ゾッとするものがあります。
スポンサーサイト
作者:入間人間
イラスト:のん
レーベル:電撃文庫
<hr>
人付き合いが苦手で不器用な安達と、当たり障りのない人付き合いはできるけど、距離感をつかむのが苦手なしまむらの二人を中心とした百合風味青春小説第六巻。
どちらかと言えば安達視点の安達が変わっていく話が多かったこれまでとは違い、しまむらの方にも大きな心境の変化が。人に優しく、とは何なのか? 何が人を優しくするのか? 安達の変化を見ながら、しまむらもまた変わっていきます。
若干サイコ風味だった前巻と違い、一冊通じて癒しオーラ漂う雰囲気のままラストへと向かっていくので、逆に今後鬱展開が待ち受けていやしないかと若干不安になりますが、それでもこれからの展開に期待しつつ続刊を待ちます。
取材・出版:NHK
<hr>
家庭事情や親の虐待により、義務教育を受けさせてもらえず、社会から切り離されている子供たち。 本書で書かれている事例の悲惨さ、そしてそれらが氷山の一角に過ぎないという現実。いじめや子供相手の犯罪なども合わせて考えると、子どもたちが社会的にいかに弱く、守ってあげなければいけない存在であるかを思い知らされます。
ただただ、胸が痛くなる一冊。
作者:フェルディナント・フォン・シーラッハ
邦訳:酒寄進一
出版:東京創元社
<hr>
ドイツで発生した、とある大実業家の殺人事件。
犯人は半ば自首の形であっさり捕まり、新米弁護士の主人公は、その弁護を担当することに。
事件の真相にはナチスドイツと戦後に巧妙に作られた「法の抜け穴」が大きく関わっており、容疑者の頑なな態度とその最期が、事件の闇の深さを物語っています。
海外ミステリらしい硬骨な物語でした。