最新記事
カテゴリ
SF (15)
FC2カウンター
RSSリンクの表示

[ノンフィクション]海上護衛戦

著者:大井篤
レーベル:角川文庫


 太平洋戦争時、タンカー等の輸送船護衛作戦立案等に従事したという著者による、開戦から終戦までの日本海軍の姿。海洋国家・日本が戦争にあたって本当に重視しなければいけない本質は何だったのか? 現代にも通じそうな組織の病理と共に生々しく語られます。

 司馬遼太郎の『坂の上の雲』後書きなどでも触れられている話ですが、日清・日露戦争の成功に縛られ"艦隊決戦"にこだわり他はないがしろ。「日本が勝つのは難しい」ことを開戦前から自覚しておきながらそれを主張しきるわけでもなく肝心なところは陸軍に流される。当時の日本海軍の迷走ぶりが読んでいて辛かった。終盤は陸軍がまともに思えてしまうほど。個々が大局的、本質的な判断・責任を他人任せにして目の前の任務のことだけ固定観念に縛られながら考えているとどうなるか? 非常に身につまされます。

 読み進めていくうちに、この戦争で命を落とされた方々は何のために命を懸けていたのか、その結果として得られたものは何だったのか? と考えてしまい、単純な「戦争は悲惨」とはまた違った意味で哀しくなってきます。

 「輸送」という他の本にはあまり見られないように思える観点からの太平洋戦争の姿。そこから見えるいくつかの教訓。良い一冊でした。
スポンサーサイト

テーマ: 最近読んだ本
ジャンル: 本・雑誌

タグ: 大井篤 角川文庫 艦隊護衛戦 太平洋戦争

コメント

非公開コメント

検索フォーム
月別アーカイブ
プロフィール

koyak

Author:koyak

好きな言葉は日進月歩。
得意技はフェードアウト。

ラノベもゲームも漫画も
大好きだけど、
そんなものが大好きな自分は
かなり嫌い。
そんな奴です。

<<惚れている人、グループ>>
(敬称略)
・司馬遼太郎
・米澤穂信
・野村美月
・浜渦正志
・大嶋啓之
・光田康典
・新居昭乃
・kukui

<<惚れている作品>>
・燃えよ剣
・「ウィザーズ・ブレイン」
・「"文学少女"」
・「ヒカルが地球にいた頃」
・東雲侑子は短編小説をあいしている
・とある飛空士への追憶
・Xenogears
・るろうに剣心
・いいひと。
・帯をギュっとね!