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[小説]私の男

作者:桜庭一樹
出版:文藝春秋


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だって、血が繋がってる。
ほかの誰ともちがう。
しちゃいけないことなんて、なにもない。
父と娘のあいだには
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"現在"から"過去"にさかのぼるという、
ここ最近の桜庭一樹作品のパターンとは
逆の形で展開される作品です。

とある安定した企業に勤める青年との結婚を
間近に控えた主人公、腐野花。
物語は婚約相手との結婚式の打ち合わせから始まり、
章が進むごとに、2005年、2000年、1996年、
そして全ての始まり、1993年へと戻っていきます。
その過程で次第に明らかになっていく
花とその養父、淳悟の間にある
昏く、絡みつくような関係と過去。

「砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない」で描かれるような
虐待ともまた違う、いたたまれないくらいに濃い
父と娘の関係。
一歩間違えると下世話な二時間ドラマものに
なってしまいかねない設定ですが、
桜庭一樹が書くと、読んでいるあいだも
読み終わった後も心のあちこちをかきむしられるような、
魂をもっていかれるような物語となります。

泣ける小説、ではなく、"哭ける"小説。
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テーマ: 感想
ジャンル: 小説・文学

タグ: 桜庭一樹 文藝春秋 私の男

コメント

koyakさん
この作品は私が初めて 桜庭一樹場を知るきっかけになりました本です☆

話の内容は酷いですが、汚いモノを綺麗に魅せる力量に感嘆しました。

名前から男性だと思ったのですが、読み始めた途端、

「この人女の人だ!!」

サクラバと聞けば、周りは桜庭和志を連想すると思います。
本人が武道をやっているのと関係があるのでしょうか。
しかしこの本を読んでから私はサクラバ= 桜庭一樹になりました!
女流作家の感性ならではの冷たくエロチックな表現、身を切るような凄まじい愛別離苦の世界。圧巻です。
究極の父と娘の関係に挑戦した作品です。
男性のファンが多いのも頷けます。

Re: タイトルなし

愛知女子さん、コメントありがとうございます。

確かに男にこういう物語は書けないよな~、と思います。

それが一般的に見て間違っているなんて周りは勿論
本人たちにもわかってる。
でもどうにもならない。

そんなシチュエーションに私は弱いです(笑)
もしかしたらご存知かもしれませんが、
桜庭一樹の作品で「私の男」に近いノリの作品に
「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」というものがあります。
富士見ミステリー版は在庫なしのようですが
角川文庫版が去年出版されていたはず。
こちらもオススメです。

私もサクラバ=桜庭一樹です。
二番目は桜庭統という作曲家さん。
桜庭和志という発想もあるのですね!
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