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[小説]アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

作者:Philip K. Dick
訳:浅倉久志
レーベル:ハヤカワ文庫


 名前だけは昔から何度も目にしていた超有名SF古典。

 アンドロイドが社会に根深く関わり、火星に移住、といった話が知らない外国に移住する程度の感覚で語られるほどの未来世界なのに、人々の思考がどこか中世的。地球には死の灰が降り続け、多くの生き物は絶滅し、退廃的な空気が蔓延する世界の物語です。
 動物の代替品として電気羊を初めとした多種多様な模造品(蝿とかまで存在する!)が幅広く流通し、集団幻覚や気分を人為的に制御できてしまう不気味な装置が一家に一台あったり、アンドロイドと障害(特に脳の障害)がある人間には社会がとことん冷たかったり、形だけでも社会に抗おうとしているのが一部のアンドロイドだけだったりと、最後までとことん憂鬱な展開が続きます。しかし、特に希望が描かれているわけでもないのに、ただ暗いだけ、という印象は受けないのもこの作品の不思議なところ。作者の見せ方によるものでしょうか。

 人間とアンドロイド。殆ど変わらないものであり、どうしようもなく別の存在でもある両者の間で、二人の主人公のうち一人は振り回され利用され続け、一人は次第に葛藤を深め、その精神を蝕まれていきます。
 主役二人が最も人間的であり、そのパートナー(?)になり得る立ち位置に浮上するアンドロイドが土壇場で機械らしい無機質な振る舞いをしてしまうあたりに、この作品のテーマが垣間見える気がします。
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テーマ: 感想
ジャンル: 小説・文学

タグ: SF Philip_K.Dick ハヤカワ文庫 アンドロイドは電気羊の夢を見るか

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